はじめに
今日の課題はこちらです。
今日の課題
- データをPCやスマホなどの複数の端末からアクセスしたい
- データを複数人と共有したい
- バックアップとセキュリティを確保してデータを守りたい
最適解は、
クラウドストレージサービスの導入
です。
そして関谷さんの評価結果は、
個人で使うにはGoogle Driveのコストパフォーマンスが一番
となりました。
数年前はクラウドストレージのサービス内容と、かけるるコストが合わず、お名前.comでVPSサーバを契約して、自分で100GBをWebDAVで自宅PCやスマホからアクセスできる環境を作って運用していました。
ちなみに、GMOインターネットの株式を保有していると、株主優待を使うことで、お名前.comのサービス利用料が年間1万円割り引かれます。この割引を使うと年間4千円ほどでVPSサーバを借りられます。10年くらい前から、このVPSサーバ上でssl経由でWebDAVにアクセスするクラウドストレージの構築と、Metatraderによる自動売買を運用していました。
GMOインターネットの株主優待に興味のある方はこちらを参照ください。
しかし、自作クラウドストレージでは以下の心配があります。
- データ量が多くなりVPSサーバの拡張が必要
- バックアップを作っていなかったので心配
- セキュリティも心配
一方、ここ最近のクラウドストレージサービスは、
- 大容量化が進み、容量アップグレードも可能
- バージョン管理とバックアップがサービスに含まれる
- 2段階認証によるログインとアクセス端末の制限ができる
- 価格もこなれて、自作クラウドストレージより安価になった
といった状況があり、VPSサーバ上に構築したストレージから乗り換えることにしました。
今回は、乗り換え先として、Google Drive、DropBox、OneDrive、BOXのサービスを比較検討しました。
個人の用途に限定して比較します。そのため、全てのビジネスプランは比較対象にしていません。
個人でクラウドストレージを検討されている方には参考になると思います。
クラウドストレージ機能別比較
保存容量と価格
以下に保存容量と年間にかかるコストについてまとめました。
価格は、ストレージを長期間使用することを考え、容易に比較できるように年額に統一しています。
また、さらに比較が容易になるように、1GBあたりの年間コストについても算出しました。(※表中のかっこ書き)
Google Drive | DropBox | OneDrive | BOX | |
---|---|---|---|---|
2GB | ー | Basic 無料 | ー | ー |
5GB | ー | ー | 無料 | ー |
10GB | ー | ー | ー | Individual 無料 |
15GB | 無料 | ー | ー | ー |
100GB | ベーシック ¥2,500 (¥25/GB) | ー | Standalone ¥2,688 (¥26.9/GB) | Personal Pro ¥14,400 (¥144/GB) |
200GB | スタンダード ¥3,800 (¥19/GB) | ー | ー | ー |
1TB | ー | ー | Microsoft365 Personal ¥12,984 (¥13/GB) | ー |
2TB | プレミア ¥13,000 (¥7/GB) | Plus ¥14,400 (¥7.2/GB) Family ¥24,000 (¥12/GB) | ー | ー |
3TB | ー | Professional ¥24,000 (¥8/GB) | ー | ー |
5TB | プレミア ¥32,500 (¥6.5/GB) | Business ¥82,500 (¥16.5/GB) | ー | ー |
評価 | 5 | 3 | 4 | 2 |
ここから読み取れることは以下の通りです。
- 無料ではGoogle Driveの容量が一番大きく15GB使える。
- 100GB/200GBの使用でもGoogle Driveが一番安い。
- 1TB以上でもGoogle Driveが一番安い。
- 1GBあたりのコストで比較すると、大容量になるに従いやすくなるのがわかる。
保存容量と価格の項目ではGoogle Driveが最も良いことになります。
ただ、1GBあたりのコストとサービスの視点で評価すると、Microsoft 365 PersonalではGoogle Driveの100GBや200GBよりも安価になり、かつ、Office系ソフトがライセンスされるという事に気づけます。もし、Microsoft Officeを個人で使用していて、1TBほどの保存容量が必要な場合、OneDriveのコストパフォーマンスが高くなります。
この表を作るまで、関谷さん気づきませんでした。Microsoftやるね。
データ共有
他のユーザとのデータ共有ができるか確認しました。
Google Drive | DropBox | OneDrive | BOX | |
---|---|---|---|---|
ファイル共有 | ○ | Family版のみ | ー | ー |
共有ユーザ数 | 5ユーザ | 6ユーザ | ー | ー |
共有権限設定 | ○ | ○ | ー | ー |
リンク共有の パスワード | × | ○ | ー | ー |
共有機能 | 全プラン共通 最大5ユーザ | Family版のみ 最大6ユーザ | なし | なし |
評価 | 4 | 5 | 1 | 1 |
情報共有したい場合は、Google DriveかDropBoxのFamily版が選択肢となります。
共有リンク設定時にパスワードを設定できた方が安全なので、DropBox Family版が好ましいですね。
ファイル復元
意図せずしてファイルを消してしまうこともまれにあると思います。そんな時、削除したファイルを復元する機能が備わっていると安心ですよね。
また、データを編集する中で、昨日状態あるいは、それよりも前の状態に戻りたいことがあると思います。そんな時、保存した履歴が残っていて前の版を確認できると嬉しいですよね。
このような機能の実装状況を確認しました。
Google Drive | DropBox | OneDrive | BOX | |
---|---|---|---|---|
バージョン管理 | ○ | ○ | ○ | ○ |
削除時の復元 | 30日間 ゴミ箱に保管 | 削除後30日以内 復元可能 | 30日間 ゴミ箱に保管 | 30日間 ゴミ箱に保管 |
評価 | 5 | 5 | 5 | 5 |
ファイル復元機能としてバージョン管理と削除時の復元は、ほぼ同じ機能が実装されているため優劣はないようです。
セキュリティ
大切なデータを守るために考えなければならないもう一つの項目は、セキュリティです。
Google Drive | DropBox | OneDrive | BOX | |
---|---|---|---|---|
データ暗号化 | ○ | ○ | ○ | ○ |
二段階認証 | ○ | ○ | ○ | ○ |
権限設定 | ○ | ○ | ー | ー |
アクセスブロック | ○ | ○ | ○ | ○ |
評価 | 5 | 5 | 5 | 5 |
- どのサービスもデータの暗号化と二段階認証に対応しているので安心です。
- 端末紛失時に、紛失した端末からのアクセスブロック機能もあるため、誰かにデータ漏洩のリスクが少なくて安心です。
その他機能
クラウドストレージとしての機能だけでない、他のサービスとの差別化となるその他機能については以下の通りです。
Google Drive | DropBox | OneDrive | BOX | |
---|---|---|---|---|
Office系 ファイル編集 | ドキュメント スプレッドシート スライド フォーム 他 | Microsoft Office Google Workspace などと連携可能 | Microsoft365 Personal版 Outlook/Word/Excel/PowerPoint/Access/Publisher | Microsoft Office Google Workspace などと連携可能 |
スケーラビリティ | 容量拡張可能 最大30TB | 容量拡張可能 最大5TB | 契約プランアップグレード可能 | 契約プランアップグレード可能 |
その他 | Googleの各種サービスと連携 APIアクセス(GAS) | ○ | ー | ワークフロー 電子署名 APIアクセス |
評価 | 5 | 1 | 5 | 3 |
その他機能の評価ポイントとしては以下の通りです。
- Office系ソフトがライセンスされて使用できるか。Google DriveとMicrosoft 365 Personalは利用可能ですね。
- DropBoxとBOXにOffice系ソフトはライセンスされませんが、連携が可能となっています。
- APIアクセスにより、ルーチン作業の自動化ができるか。Google DriveとBOXは可能となっています。
- 保存容量を上げるスケーラビリティにはどのプランも対応しているようですね。
総合評価
1から5までの評価項目をまとめると以下の通りとなりました。
Google Drive | DropBox | OneDrive | BOX | |
---|---|---|---|---|
保存容量と価格 | 5 | 3 | 4 | 2 |
データ共有 | 5 | 4 | 1 | 1 |
ファイル復元 | 5 | 5 | 5 | 5 |
セキュリティ | 4 | 5 | 5 | 5 |
その他機能 | 5 | 1 | 5 | 3 |
総計 | 24 | 18 | 20 | 16 |
「個人で使用する場合」という条件では、Google Driveの評価が最も高い結果となりました。
BOXの評価が一番低いですが、ビジネス版として比較する場合はBOXも検討対象に入ってきます。なぜならば、保存容量の制限がなくなることが一番大きいです。
クラウドストレージサービス別紹介
Google Drive
Googleによるストレージサービス。Android OSを使用している端末のバックアップが簡単にできるだけでなく、Office系ソフトが使用できることをはじめ、Googleの提供している様々なクラウドサービスとの連携がし易いという事がメリット。また、Google Apps Scriptによるルーチン処置の自動化にも対応している。
DropBox
2TBや3TBのストレージが必要な場合、例えば動画などの大きなファイルサイズのデータを保存するには有効。特に、3TBのプランであるProfessionalでは100GBまでのファイル転送が可能となる。
OneDrive
Microsoftの提供するクラウドストレージサービス。Officeソフトとの親和性が高く、Microsoft 365 Personalでは1TBの保存容量とOfficeソフトがライセンスされる。個人でもOffice系ソフトにMicrosoft Officeを使用している場合は選択肢となる。
BOX
比較対象の中では容量当たりのコストが最も高く、個人利用でBOXを使用しなければならない理由はない。しかし、Business版のBusiness Plus以上の契約になると、ストレージ容量が無制限となり、ファイルアップロード上限も15GB以上となる。大量のデータを保存する用途には適しているため、将来的に大量のデータを扱うことが見えている場合にはBOXを選択肢として考えるのもあり。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
まとめると、
個人利用で最も容量当たりのコストパフォーマンスが高いのはGoogle Drive
しかし、
1TBの容量が必要でMicrosoft Officeの利用が必要な場合は、Microsoft 365 Persolanも選択肢となる
そして、
今後個人利用からビジネス利用に推移し、扱うデータが数TBに育つ見込みがある場合、BOXという選択肢もある
という結論になりました。
みなさまのクラウドストレージサービス選択の参考になれば幸いです。
では、今日も良い一日を。