はじめに
今回は、手術後に初めて起き上がって歩いたときから、退院するまでのリハビリについての話を書きます。
ちなみに、2022年3月に人間ドックでがんが見つかり、5月に手術を行い悪いところを全て摘出し、
今は、ほぼ回復して元気です。
大まかなところは、こちらの記事を参照ください。
では、興味のある方は、次項以降をお読みください。
手術後のリハビリ
関谷さんの思い込み
手術をしたのは5/2でした。みぞおちの下からおへその上まで切り、そこから右わき腹まで切り、横行結腸癌と転移が認められた肝臓の半分を切除する大きな手術で、8時間もかかりました。
手術後は身体中、点滴やカテーテルなどの管だらけになっていました。なので、リハビリで歩き始めるのは、手術後2週間後とか、身体の回復が進んでからだと思い込んでいました。だって、臓器を切除して歩ける状態になるのにはかなりの時間がかかると思うじゃない。
ところが、毎日少しずつ管が外されていき、手術してから5日後には起き上がってリハビリをするようになりました。
え?もう歩くの?お腹大丈夫?
と思ったものです。
ベッドの上でのトイレ
ところで、一人で歩けるようになるまでは、ベッドの上で寝たきり状態のため、トイレはベッドの上でいたしました。
おしっこについては、ちんちんにカテーテルが入っていたので知らない間に勝手に出ていく状態だったのよね。なので、煩わしいことは何もありませんでした。
問題は、うんちです。
食べれば当然出したくなるもので、昼となく夜となく、お腹がぐるぐる言い始めて、うんちをしたくなります。そんなときは看護師さんにおまるを持ってきてもらい、腰の下に入れてもらっていたしました。
ところが、お腹を切っているので痛くていきむことが出来ないし、そもそもベッドの上の態勢に無理がある状態なので、もりっと出すことが出来ず、小出しになってしまい、何度も看護師さんを呼んでおまるを持ってきてもらいました。
真夜中でも嫌がらずに対応してくれた看護師さん、本当に神です。
手術後初めて身体を起こしたときのこと
手術後、初めて身体を寝た状態から起こしたときは、痛みで深い呼吸ができない状態になりました。浅い呼吸を「はっはっはっ」とする事しかできませんでした。
起き上がるときにベッドわきの柵に両手で身体を保持できるように支えて、じわじわと身体を起こしていくと、お腹の上にある臓器の重みが切ったお腹を圧迫し、この世のものとは思えない痛みが生じるわけですよ。しかも、これまであったはずの内臓の一部が切除されて無くなっているので、お腹がえぐれている感覚があるし、また、腹筋を切っているので、内臓を支える筋肉が機能しないため、お腹がダルダルなところ、縫合した部分にテンションがかかりお腹の皮膚がひっつれて痛いし、と、今まで経験したことのない状況を経験しました。
心配になって、担当の医師とこんな会話をしました。
手術した5日後にリハビリを始めるのは早すぎるのことはないの?
身体はできる限り早く動かして慣らした方がいいのです。身体を動かすことで内蔵の動きも活発になり、刺激を与えることができるので早く回復します。お腹の縫合が取れることは絶対にないから大丈夫です。
これを聞いていたので、辛くても頑張ってリハビリを続けようと思いました。
リハビリ1日目 身体を起こすのが恐ろしかった
初めて身体を起こしてベッドの端に座れるようになるまでには一時間くらいかかりました。
一人で身体を起こすのは危ないので、当然看護師さんが付き添ってくれてました。関谷さんほど大きくお腹を切る手術はなかなか無いらしく、そんな患者にリハビリに付き添う事が珍しいこともあり、身体を起こせた時には頑張ったことをとても褒めてもらええました。
子供のように喜び、いい気分になったものです。
でも、
こんな状態で生き続けることがほんとにできるのかしら orz
と、心の底から心配になった瞬間でもあります。
先生が、
じきによくなるから。
と、サラッと言うので、その言葉を信じてリハビリを続けました。
また、必死になって身体を起こそうとしているときに、看護師さんに応援してもらいながらするリハビリはやる気にもなるものです。我ながらちょろいなと思うよ(笑)。
あと、普段から身体を鍛え続けていて良かったと思いました。腹筋が使えないので、足は動くけど腰が動かせず、身体を支えるのは上半身でという状況でしたから。
こんな感じで、初日のリハビリは、身体を起こすところまでで力尽きたため終了しました。
リハビリ2日目 立ち上がって歩いた日
リハビリ二日目になると、点滴台を杖代わりにして立ち上がるところまで出来るようになりました。
前日はベッドわきに座って上半身を起こすところまででしたが、今回はそこからさらに進んで、立ち上がり、部屋の中を歩くところまで頑張りました。
前日同様、ベッドわきに座るところまでできたら、身体を起こして両足を踏ん張ってバランスを取り、点滴台の杖にすがりつつ立ち上がりました。もちろんお腹が痛かったわけですが、それよりも、身体をまっすぐに起こせないのが衝撃でした。お腹の痛みと違和感で腰の曲がったおじいちゃん状態までしか身体を起こせないのよ。しかも、上半身の重量がお腹を圧迫して痛みがひどいし。なんじゃこりゃ状態よ。
この時、バランスを崩して看護師さんに支えてもらいました。
看護師さん、暖かくていい匂いする。
なんてことを考えていたくらいだったので、意外に余裕があったのかもしれません。
関谷さん、ちょろいね(笑)
リハビリ2日目 自力でトイレに行けた日
そして、立ち上がってから一歩ずつ歩いてみると、なんとか歩けるじゃないですか。
なので、
これはいい!まずはトイレにこもるぞ!
と思い、そのまま個室に備え付けられているおトイレに行き、心行くまで出せるものを全部出しました。
ベッドの上のおまるだと出しきった満足感が無いのよね。付き添ってもらっていた看護師さんには、しばらくトイレにこもるので出るときに呼ぶと伝えて去ってもらいました。
この時は、パンツを降ろすことはできたけど、パンツをはこうとして屈むと、お腹が痛くて手伝ってもらわないと履くことができなかったのよ。ぶらぶらした物をぶら下げたまま看護師さんにパンツをはかせてもらうのは、介護されているみたいでとても新鮮でした。いや、実際に介護されていたのでしたね。看護師さんにはほんとに頭が上がりません。こちらが辛いのをわかってくれているようで、丁寧に手伝っていただきました。
看護師さん、ほんとありがとうございました。
リハビリ3日目 病棟の廊下を往復
リハビリ三日目は、個室から出て廊下を往復するところまでやりました。
ベッドからトイレまでは何とか痛みに耐えて歩くことが出来るようになりましたが、廊下を往復するのはなかなか厳しかったです。病棟の廊下は、片道75mで往復で150mになります。
痛くてリハビリにならないのは良くないので、リハビリを行う時間帯に痛み止めが効くように薬を飲んでいました。ちなみに、痛み止めは、6時間毎の服用で、1日に3回までの服用制限がありました。だいたい服用後6時間くらい痛み止めとしての効果があるので、一日に3回服用可能だから18時間は薬が効くため、この時間はそれほど痛みに悩まされることはありませんでした。しかし、残り6時間は基本的には耐えないといけませんでした。
手術後数日間は、この6時間を耐えることが出来ないくらい痛かったので、重複して使用できる他の種類の痛み止めを筋肉注射してもらっていました。
でも、痛みに対する耐性がついてくるのか、麻痺してくるのかわかりませんが、だんだん痛みにも慣れてきていました。
廊下を歩くリハビリを行うあたりでは、動かなければそれほど痛みを意識することが無くなり、痛み止めの服用も徐々に減っていく状況でした。
退院が見えた頃のリハビリ ロックを聞きつつ毎日1~3km歩きました
廊下を歩くリハビリは、かなり頑張りました。
退院が見えてきたころには、午前の部、午後の部それぞれで1〜2km廊下を歩くようにまでなりました。
まだどうにかなるわけにはいかないし、このまま不自由なまま生きるわけにはいかないし、何より、綺麗なおねいさんと色々しなくちゃならないし、と、気持ちを奮い立たせた覚えがあります。
リハビリの時には、常にBon Joviを流してました。It's my lifeが流れた時にはテンションが上がったものです。
やっぱりロックはいいね。
まとめ
今回の話はここまでです。
手術後、初めて起き上がって歩いたときは、自分の体とは思えませんでした。
そして、このままの状態がずっと続くのかと不安になりました。
でも、先生の言う「じきによくなる。」の通り、
今は普通に生活できるまで回復し、ジムでランニングや筋トレが出来るまでになっています。
人の身体ってすごいよ。そして日本の医療ってすごいよ。
と、心から感じる今日このごろです。
では、次回につづきます。