はじめに
今回は、手術が終わってICUに一晩いたときに見た、夢なのかまぼろしなのかわからないものについて書きます。
ちなみに、2022年3月に人間ドックでがんが見つかり、5月に手術を行い悪いところを全て摘出し、
今は、ほぼ回復して元気です。
大まかなところは、こちらの記事を参照ください。
では、興味のある方は、次項以降をお読みください。
手術後に見た夢?まぼろし?
全身麻酔から目覚めたときのこと
2022/5/2に横行結腸癌と肝臓の半分を切除するという8時間に及ぶ大きな手術を受けました。
朝9時から始まった手術が終わり、全身麻酔が切れて意識を取り戻したのは夕方17時頃でした。主担当の先生に声をかけられて目を覚ましたときに、麻酔をしていてもわかる、切除した内臓の違和感と痛みなのか何なのかわからないこれまで経験したことのない違和感があり、自分の身体がどうなったのか良くわからないこともあるせいか、違和感と恐ろしさで、なんとも寒くて寒くてぶるぶる震えました。
一度震え始めると、自分で震えを落ち着かせることが出来ず、ずっとぶるぶる震えていました。なんでも、シバリングと言うそうです。すぐに身体を温めてもらえたので、間もなく落ち着きましたが、身体中の特に腹部の違和感はぬぐえず、ベッドに横になったまま自分の身体を確認したところ、身体中ケーブルだらけになっていることに気が付きました。
また、手術中ずっと腕を広げたまま固定されていたため、肩が異常に痛くなっており、動かせる範囲で肩を回したりしていました。
手術直後は身体中管だらけ
身体中のケーブルは、口からは胃に直接薬を投与するためのカテーテル、右腕に点滴、左腕の静脈と動脈にそれぞれ点滴、喉には心臓に直接薬を投与して心臓を元気に動かすための薬を投与するためのカテーテル、背中には麻酔薬を投与するためのカテーテル、心臓周辺には心電図を取るための電極(人間ドックで心電図を取るときにつける電極と同じやつ)、左手の指に血中酸素濃度を測るための機器、右胸と左胸の下あたりに廃血液を抜くためのドレーンパイプ、両足に血栓を防止するためのバルーン?が取り付けられて、定期的に膨らんだりしぼんだりしていて、ちんちんにはおしっこを出すためのカテーテルがついていました。
口から胃に入っているカテーテルは、胃カメラの経験のある方はわかると思いますが、唾液を飲み込むたびにカテーテルが邪魔になり、うまく飲み込めずとてもストレスでした。
こんな全身ケーブだらけの状態で、ICUにて一晩を過ごしました。
そして目の前が真っ暗に
経験したことのない状況は、心理的なストレスを増幅し、麻酔で痛みが緩和されているはずなのに、必要以上に痛みを感じ、この先ずっとこの状態が続き、生きていけるのかと、ものすごく不安になりました。とても不安な顔色をしていたようで看護師さんがよく声をかけてくれました。こんな時でも綺麗なおねいさんに声をかけられると喜ぶ自分が、相当業が深いな、なんて思ったものです。
また、先生からは手術後は大変でも、じきに良くなるとは聞かされていましたが、痛みと違和感に耐え続けないといけないので、とても長い夜になりそうだとうんざりしました。もちろん眠れるわけがありません。目を閉じると身体中の違和感を良く認識できるようになるので、目を明けたまま体力の続く限り起きてようと思いました。
そんな状況に耐え続けていたら、徐々に身体から力が抜け、目の前が暗くなり、何も考えることが出来なくなり、貧血で倒れるような状況なり、これはやばいと思いナースコールを押して看護師さんがすぐに駆け付けたところで、カーテンがひかれたように目の前が真っ暗になり、身体中のあらゆる感覚がスーッと無くなりました。
今思えば、気絶したのではないかと思います。
ストレスのない場所に来ました
次の瞬間、とても明るいところに意識だけあるような感覚になりました。
身体はなく、とにかく明るくて暖かくて、さっきまで耐え続けていた身体の痛みのないところに、ぽやぽやと意識だけ存在していたような気がします。ああ、夢ね。夢を見ているのね。と思い、痛みと違和感から解放されてとてもご機嫌よね、もう戻りたくないもんね。なんて気楽に考えていました。
そしたら、生まれてからこれまでのいわゆる走馬灯が見えるし、ケーブルだらけの自分が窓みたいな枠の外に見えるし、誰だかよくわからない子供がにこやかに手を振っているし、これはもしや死んだか?なんて思いました。
なんか、太陽みたいに明るいとこがあって、あそこに向かったら多分戻れないやつなんだろうな、、、、でも、まだどうにかなるわけにはいかん、と思ったところで看護師さんに起こされて意識を取り戻しました。
意識を取り戻しました
意識を取り戻したときに、看護師さんが心配してくれていて、
ちょっと軽く別世界に行ってきたみたいです。
なんて冗談ぽく言ってみました。
すると、看護師さんは大真面目な顔で、
血圧がどんどん下がり、心電図も弱くなり、いろいろなバイタルサインが良くない方向に向かってたのよ。
とのことでした。
何がきっかけで意識を取り戻したのかはわかりませんが、まだ生きろと言われたのだと思うことにしています。
もうしばらく痛みと違和感と格闘して、さっさと現実世界に戻りましょうと心に決めた瞬間でした。
まだラックは尽きていない
手術の5日後からリハビリが始まり、まだどうにかなるわけにはいかないし、生き続けるのだからと自分を奮い立たせて異常に頑張ったというのはこの後の話です。
それにしても、日本の医療と人の身体は本当にすごいと思う。手術後3カ月後には出勤できるようになったものね。がんの場所と見つかったのが手遅れになる前で良かったのだろうな。
まだ関谷さんのラックは尽きていないようです。
肝臓から出血のため再手術するかも?
この話には、まだ続きがあるのよね。
ICUから病室に戻った次の日に、お腹から出ている2本の血液のドレーンパイプから出ていく血が止まらなくて、想定以上に血が身体から外に出ている状況だったのよ。もうこの段階でくらくらして目の前が真っ暗になる思いだったのですが、追い打ちをかけるように先生が、
おそらく肝臓からの出血が止まらないと思うので、あまりにひどいようなら、再度手術する可能性もあります。
なんて言うのよ。
せっかく閉じてもらったお腹をまた開いて手術するのやだー。頑張って関谷さんの身体!
なんて思っていました。
そして、どこから出血しているのか確認するためにCT検査を受けたところ、確かに肝臓から出血していることがわかりました。
撮影画像を確認すると、肝臓の周りに雲のように滲んで見える場所があり、出血していることがわかりました。でも、動脈からではなくて静脈からの出血であることが撮影をしたその場でわかりました。そのため、止血剤を点滴で投与する方針で治療を進めることになり、再手術は必要ないとの医師の判断となりました。
再度お腹を切られるわけではなくて、ものすごくほっとした覚えがあります。
まだ関谷さんのラックは尽きていないようです。
複数の点滴と輸血をすることになった
ドレーンパイプからは結構な量の血が継続して出ていて、お腹に出血がある状況は変わっていないため、身体の血の量が足りず貧血を起こしている状態でした。
ここからがなからひどい薬の投与状況になるのよ。左右の腕に2本ずつ点滴の針が刺さっていて、そこにケーブルをジョイントして、止血剤、アルブミン、栄養剤、痛み止め、吐き気止めと胃薬の薬剤が入った袋が接続されて同時に身体に点滴で入ってくる状態になったのね。
更に、血が足りない状況だったので、血液パックもつるされて薬剤の点滴と同時に輸血されることになりました。
様々な液体が点滴で身体に入ってくる状況だったので、身体が破裂するのじゃないかと思ったよ。さすがに血の量が減りすぎていたようで、点滴が始まるとすぐに身体から力が抜けて、スーッと意識を失いました。
再度ストレスのない場所に来ました
そして、なんだか明るくて暖かくて気持ちのいい場所に再度来たわけですよ。遠くには太陽のように明るくなっている場所があるし。誰だか知らない子供がやっぱり手を振っているし。
また夢を見ているのねと思ったのだけど、変にリアルなのよね。まわりの造形がはっきりしているとか、意識がはっきりしているとか。
しばらく辺りを見渡していたら、どこからともなく声がしたので、目を覚ましました。
どうやら看護師さんが血圧を測るために声をかけたようでした。せっかくなので、声をかけてくれた看護師さんに、
暖かくて明るくてストレスのない別世界に行ってきたみたいです。
と、この話をしたら、
よく聞く話です。戻ってこれてよかったですね。
と、言われました。
これを聞いてちょっと寒くなりました。
どこに行ってきたのかしら?
関谷さん無宗教派だし、死後の世界とかそういう類のものは創造の産物としか思っていないのね。
でも、今回のような経験をすると、もしかしてひょっとすると、
精神世界のようなものは本当にあるのかも?
なんて思ってしまいました。
でも、今はもう良く思い出せないので夢を見ていたということにしています。
あまり思い出したくもない経験なので、忘れることにしていました。
まとめ
今回の話はここまでです。
もしかすると、普通ではない身体の状態と心理状態の時には、普段想像もできないことを創造?するのかもしれませんね。
では、次回につづきます。